「高機能自閉症」とも呼ばれるアスペルガー症候群

 

アスペルガー症候群ってどういう病気?

アスペルガー症候群は、心の働き方が定型発達の子とは異なっている発達障害のひとつで、対人関係の発達に遅れがあり、他社とのコミュニケーションがうまくとれないのが大きな特徴です。

 

自閉症の延長線上にある発達障害ですが、言葉の発達の遅れはありません。

 

見かけ上は社会生活に困難があるようには見えません。

 

その行動は独特で、「風変わりな子」「場の雰囲気がつかめない子」「頑固な子」などと思われ、周囲から誤解されてしまうことも多いようです。

 

具体的には、変に大人びた話をする、話をするときに目をそらす、手順や道順にこだわる、記憶力はあるのに推察力が働かない、相手の気持ちを推し量ることができない、などの行動の特徴がみられます。

 

「アスペルガー」の由来

 

1944年、オーストリアの小児科医ハンス・アスペルガーは、他の子供たちと人間関係がうまく築けない4人の子供たちについての症例を論文にまとめました。

 

この論文は長い間、日の目を見なかったのですが、1980年代イギリスのローナ・ウィングによって再発見され、「アスペルガー症候群」の名が付けられました。

 

アスペルガー症候群は病気ではなく性格に近い?

 

アスペルガー症候群は自閉症などと同じ発達障害に含まれます。

 

一般的にいわれる「病気」の概念とは少し異なります。

 

風邪であれば、服薬や安静にすることで、症状を抑え、いずれ治っていきます。完治できない病気でも薬などで痛みを和らげたり、進行を遅らせることができます。

 

しかし、アスペルガー症候群は性格や個性に近い状態で、服薬や手術といった医学的な治療法で治す「疾患」とは性格が異なります。

 

夜眠れないと「神経質な性格」などとなりますが、程度が重ければ「不眠症」と病名がつくのに近いでしょう。

 

アスペルガー症候群は治るもの?

 

アスペルガー症候群は、独特の行動上の特徴があり、行動特徴の原因となっている独特の知覚やこだわりは生まれつきのものなので、「治す」対象となる状態ではありません。

 

しかし、成長するにつれ、様々な経験をしていく中で、正しい対処法を自ら学んでいくことができます。

 

アスペルガー症候群の行動特性が目立つようになってくるのは2〜3歳からです。

 

周囲の大人ができるだけ早い段階でアスペルガー症候群に気づき、行動の特徴への理解を深めることが大切です。

 

「治療」させようと焦るよりも、社会生活を送る上での困難を取り除く「リハビリ」をすると考えていきましょう。

 

特徴

 

  • 強いこだわりがある
  • パニックを起こす
  • 言葉の裏が読めない
  • 感覚が過敏
  • 物事の要点がつかめない
  • 身だしなみに気を使わない
  • 動きがぎこちない
  • 友達と一緒に遊べない

 

アスペルガー症候群の原因は育て方が悪い?

 

かつてアスペルガー症候群の延長線上にある「自閉症」について、親子の愛着関係がその発症にかかわると言われていた時代がありました。

 

しかし、現在では研究が進み、親子関係と自閉症には因果関係がないことがはっきりしています。

 

同様にアスペルガー症候群と親子のコミュニケーションの度合いには直接のつながりはありません。

 

親の育て方が原因でアスペルガー症候群になったのではないので、親が責任を感じる必要はありません。

 

アスペルガー症候群の子の親や親せきにアスペルガー症候群の特徴を持つ人がいることがよくあることが経験的に知られています。

 

親子である程度性格が似てくるように、アスペルガー症候群の行動特性も、親子で似ることがあるのです。

 

おそらく、複数の遺伝子がアスペルガー症候群に関わっているのだといわれています。